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「骨が足りない」と諦めないで!インプラント治療を可能にする「骨造成」とは?

インプラント治療を検討していたものの、「骨が足りない」「治療は難しいかもしれない」と聞いて不安になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのような方でも「骨造成(こつぞうせい)」という治療を追加で行うことで、インプラントが可能になるケースがあります。今回は、骨造成とはどのような治療なのか、必要となるケースや具体的な方法、治療後の注意点などをご紹介します。

骨が足りなくても諦めない!「骨造成」とは?

骨造成は、インプラントに必要な骨の量を増やす治療です。まずは、その仕組みについて詳しくみていきましょう。

なぜ、骨造成が必要なのか

インプラントはあごの骨にチタン製の人工歯根を埋め込み、その上に被せ物を装着する治療です。家を建てる際に頑丈な土台が必要なように、インプラントも長期間しっかりと機能させるためには、それを支える十分な厚みと高さのある「骨の土台」がかかせません。もし、土台(骨)が足りないまま無理に治療を行うと、インプラントと骨がうまく結合せず、グラついたり抜け落ちたりするリスクが高まります。さらに、理想的な位置にインプラントを埋め込むことが難しく、見た目やかみ合わせに影響が出てしまうこともあります。骨造成はこうした問題を解消し、治療の成功率を高めるための大切な「基礎作り」なのです。

どうやって骨を増やすの?

人工の骨(骨補填剤)や他の所から取り出した自分の骨(自家骨)を不足している部分に補い、新たな骨が再生・定着するのを待ちます。骨が定着するまで時間がかかりますが、安定すれば通常のインプラントと変わらない噛み心地が得られます。

骨造成が必要なケース

骨造成は、主に以下のようなケースに適用されます。

歯が抜けた場所をそのままにしている

歯を抜いてから長期間放置すると、噛む刺激が骨に伝わらず、骨が徐々に痩せていってしまいます。

歯周病で骨が失われた

重度の歯周病で歯を失った場合、骨量が大きく減少していることが多く、骨造成が必要になることがあります。

長年、入れ歯を使っていた

入れ歯は歯ぐきの上から骨に力がかかるため、使い続けるうちに骨が少しずつ痩せていくことがあります。

上の奥歯部分の骨の厚みが足りない

上あごの奥歯の上には「上顎洞(じょうがくどう)」という空洞が近くにあります。この部分の骨が薄いと、インプラントが上顎洞に突き抜けてしまうおそれがあるため、骨造成で厚みを確保する必要があります。

もともと骨が薄い・高さが足りない

生まれつき骨の厚みが少ない方や、外傷・病気などで骨が失われた方も、骨造成によってインプラントが可能になることがあります。

骨造成の種類と治療方法

骨造成とは骨を増やす治療(手術)の総称です。ここでは代表的な治療を3つご紹介します。

①GBR法(骨再生誘導法)

骨を増やしたい部分に骨の元となる材料(人工骨・骨補填剤)をおき、その上を特殊な膜で覆うことで骨が作られるスペースを確保する方法です。膜が歯ぐきの侵入を防ぎ、骨の再生を促します。広範囲の骨の再生に適しており、インプラント手術と同時に行うことも可能です。

②サイナスリフト(上顎洞底挙動術)

上あごの奥歯の骨が薄い場合に行われる治療です。空洞(上顎洞)の底の部分を持ち上げ、できた空間に人工骨を入れて骨を増やします。骨の高さが大きく不足する場合(5㎜以下)に適しています。

③ソケットリフト

サイナスリフトよりも骨の高さが残っているケース(5㎜以上)に用いられる方法です。インプラントを埋める穴から上顎洞をわずかに押し上げ、そこに骨補填剤を入れていきます。サイナスリフトよりも体への負担が少なく、同時にインプラントを埋めることも可能です。

骨造成のメリットと治療後の注意点

骨造成にはインプラントを成功させるうえで多くの利点がありますが、治療後のケアも大切です。

骨造成のメリット

骨造成を行うことで、骨量の不足が原因でインプラントを諦めていた方でも新たな選択肢が生まれます。また、十分な骨量が確保されることで、インプラントを理想的な位置に埋入でき、見た目や機能面で良好な予後が期待できます。

骨造成のデメリット

骨が定着するまでの安静期間が必要なため、トータルの治療期間が数か月ほど長くなります。また、骨補填剤や手術にかかる費用が別途必要なため、治療費の総額が高くなります。

治療後の注意点

治療後しばらく(術後2日~7日前後)は、痛みや腫れが出ることがありますが、処方するお薬で対応できます。その間は飲酒や激しい運動は避け、食事も柔らかいものを中心にして安静を心がけましょう。

まとめ

インプラント治療を成功に導き、治療後も安定した状態で長持ちさせるためには、しっかりした骨の土台が不可欠です。しかし、「骨が足りない」といった場合でも、今回ご紹介した骨造成を行うことで、治療の可能性が広がります。

骨の状態は人によって異なるため、まずはCT検査などで今の状態を把握することが重要です。インプラント治療で気になること・不安なことなどございましたら、お気軽に当院へご相談ください。